ブラック・クランズマン の S&S さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > フ行
 > ブラック・クランズマン
 > S&Sさんのレビュー
ブラック・クランズマン の S&S さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ブラック・クランズマン
製作国
上映時間128分
劇場公開日 2019-03-22
ジャンルドラマ,コメディ,刑事もの,実話もの,伝記もの
レビュー情報
《ネタバレ》 黒人刑事が主人公という共通点から『インサイド・マン』の様なポップでコメディ的な要素がある物語だろうと思って観始めたら、冒頭の活動家がアジ演説するシーンの撮り方や、終盤でハリー・べラフォンテの昔語りトークをKKK首領の演説とカットバックさせて見せるなど、これはちょっと自分が期待していたストーリーテリングじゃないなと嫌でも気づかされました。合衆国の人種対立を扇動的とすら捉え兼ねない作風で撮っていた昔のスパイク・リーに戻った感すらあります。それだけトランプ大統領という存在に怒りと危機感を持っていたってことでしょう。小中学生でもなければ大抵の人はKKK首領のデュークがトランプのカリカチュアの役目を果たしていることは理解できるでしょうが、ラストの実写フィルムでトランプ本人を出しちゃったらあまりにイデオロギー色が強くなりすぎて逆効果だった気がします。 潜入刑事ものとしては、お約束のドキドキ・サスペンスは効果的に織り込まれています。でも、アダム・ドライヴァーがポリグラフにかけられそうになるところやKKKの構成員が黒人刑事の自宅を訪ねてくるところなんかは、あれで切り抜けちゃうなんてちょっと雑な脚本構成だと思わざるを得ません。また、白人は概していわゆるホワイト・トラッシュの低レベルなキャラで、対する黒人登場人物たちは大学生などのインテリや善良なキャラばかりというのも、ちょっと型にはまり過ぎている感があります。人種差別問題を“ブラック・パワーvsホワイト・パワー”という視点に持ってゆきたいという意図も感じましたが、なんか単純すぎるように感じました。 ラストはハッピーエンドとはほど遠いカタルシスのない幕の閉じ方でしたが、これはスパイク・リー映画の持ち味でもあるので我慢しましょう。最後の実写フィルムを見せられると、50年以上経っているのにアメリカ社会は全然進歩していないことに愕然とさせられます。先般の大統領選挙の結果を見ますと、トランプは敗れたといえ国民の半数近くが隠れKKKメンバーになってしまったような感じがします。
S&Sさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2021-04-18 23:47:36)
S&S さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-24レインメーカー8レビュー6.68点
2024-04-21アルプススタンドのはしの方6レビュー6.88点
2024-04-18ワイルド・リベンジ7レビュー7.00点
2024-04-15ファイティング・ダディ 怒りの除雪車7レビュー7.36点
2024-04-12雲の上団五郎一座7レビュー6.00点
2024-04-09オースティン・パワーズ:デラックス6レビュー5.39点
2024-04-06大菩薩峠 完結篇(1959)6レビュー6.11点
2024-04-03ジョン・ウィック:コンセクエンス8レビュー6.88点
2024-03-29江分利満氏の優雅な生活6レビュー7.00点
2024-03-26影の軍隊(1969)7レビュー6.60点
ブラック・クランズマンのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS