ごっこ の かっぱ堰 さんのクチコミ・感想

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ごっこ の かっぱ堰 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ごっこ
製作国
上映時間114分
劇場公開日 2018-10-20
ジャンルドラマ,漫画の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 出演者のせいでお蔵入りになりかけたのを何とか公開にこぎつけた映画とのことで見たが、宣伝で「最高に泣ける」などと書いてあると要はそれが目的なわけかとかえって印象が悪くなる。ちなみに場所設定としては大阪ということになっているが(大阪市平野区と枚方市)、撮影は群馬県前橋市(千代田町の弁天通商店街)が中心だったのは制作上の事情だろうが少し意外感がある。

主人公の境遇について、孤立的で引きこもり体質というところまでは自分も同じだが、それだけで全面的に共感できるわけでもない。
自分を犠牲にして子どもを助けようとしたのは結構だが、その根底には犯罪で捕まれば自活不要という発想があったはずで、同時に育児放棄という面もあるのでそれほど褒められるものではない。またカレー屋の母親はいいとして(よくはないが)その娘までを結果的に捨て石にしたのはどうなのかということもあるが、これはそれほどまでに自分のところの子をかけがえのない存在と思っていたことの表現か。自分はどうせ駄目だがこの子だけはというつもりで、可能な限りの方法で最も大事なものを守り通したということではあるらしい。
最後の場面は、自分など他人にとっては無に等しい人間だと思っていたところ、実は誰かにとって大きな存在だったことを知らされた時の驚きと困惑と感激ということならわからなくはない。結果として「万引き家族」(2018)などよりは素直に心に響く映画だった。

出演者の関係では、主役の顔と子役の顔がとにかく心に残る。主役についてはラストの強烈に変な顔が目立つが、ほか個人的には普段の顔と、保育園で子役に笑いかけた顔のギャップが印象的だった。また子役の平尾菜々花という人は、別のところで見たときは躁状態でやかましくしゃべる女児だったが(“ここさけ”とNHKの土曜ドラマ)、今回は全くイメージの違う役をきっちりこなしている(目力あり、演技力あり)。優香はミニスカでないポリス役で今回少し色気を抑えていた。
そのほか商店街のおばさん役で鴨鈴女(かも すずめ)という役者が出ており、端役ではあるが顔を知っているのでどうしても目についてしまう。この人も本物の大阪人である。

追記:見たあと原作を読むと、かなりまともにきっちり万人向け映画としてまとめたことがわかる。主人公の人物像がかなり違うが、結末まで含めて現実寄りの映画にするなら最初からこれで正解と思われる。
かっぱ堰さん [DVD(邦画)] 6点(2019-06-14 19:51:35)
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