20センチュリー・ウーマン の かたゆき さんのクチコミ・感想

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20センチュリー・ウーマン の かたゆき さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 20センチュリー・ウーマン
製作国
上映時間119分
劇場公開日 2017-06-03
ジャンルドラマ,コメディ
レビュー情報
《ネタバレ》 1979年、カリフォルニア。女手一つで子供を育てるシングルマザーと思春期を迎えたばかりの一人息子、貧しいながらも必死で生きているそんな親子と微妙な距離感で絡んでくる様々な人々――。大恐慌時代から続く大変な時代を生き抜いた母親ドロシアは気が強い性格のため揉め事も多く心休まる時間がない。大人しい性格の一人息子ジェイミーは、ベトナム戦争の泥沼化や社会の閉塞感から自分の価値観の揺らぎに戸惑いパンクやニューウェーブに救いを求めている。彼の幼馴染である17歳の少女ジュリーは、厳しい両親への反発から家を飛び出し愛のないセックスを繰り返しつつもジェイミーとは友情を守りたいがためプラトニックな関係を続けている。他に親子の二階の部屋を間借りしている、子宮頸がんの疑いを申告された若き女性写真家や寡黙な陶芸家の男。そんな彼らの特に珍しくもないひと夏の物語を通して、20世紀に生きた様々な女性たちを俯瞰的に描くという野心に満ちた人間ドラマ。僕が昔から注目している若手女優エル・ファニングが出ているということで今回鑑賞してみたのですが、これがなかなか、とても完成度の高い秀作でした。本当にどこにでもあるようなありふれたお話なのですが、この監督のポップで瑞々しい映像センス、そして個々のエピソードへのきめ細やかな目配りによって、何処にもない珠玉の物語へと昇華させている。素晴らしい才能と言っていいんじゃないでしょうか。それぞれの世代を代表する三人の女優たちの自然体で魅力あふれる演技も、そんな物語に生き生きとした躍動感を与えることに成功しています。20世紀という言わば男たちが築き上げた時代を女性の視点から捉え直す、ポップでラディカルな物語、ぜひ多くの人々に観てもらいたい魅力あふれる良品でありました。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 8点(2018-10-13 00:32:27)
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