私をスキーに連れてって の ゆき さんのクチコミ・感想

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私をスキーに連れてって の ゆき さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 私をスキーに連れてって
製作国
上映時間98分
劇場公開日 1987-11-21
ジャンルドラマ,ラブストーリー,スポーツもの,青春もの
レビュー情報
《ネタバレ》  馬場監督の映画の中では、一番バブルの匂いがする代わりに、一番完成度が低い映画って感じですね。

 「あの頃の雰囲気を楽しみたい」という目的で鑑賞するならば、同監督作の中では最も適してるでしょうし、バブル期とか関係無く、純粋に物語を楽しみたいというのであれば、かなり退屈な映画になっちゃうと思います。
 そもそも商業映画デビュー作なので、作りが粗いのも仕方無い話ではあるんですが……
 馬場監督の映画の中で、始まって二十分ほどで(退屈だなぁ)って感じたのは本作だけですし、かなりキツい出来栄えです。

 まず、根本的にストーリーが古臭いというか、ベタで王道な魅力も無いもんだから(わざわざ映画にするほどの話じゃないだろ)って思えちゃうんですよね。
 主人公とヒロインの恋路にしたって、中盤でアッサリ誤解がとけて問題無く結ばれるし、新製品のお披露目イベントにしても「苦労した主人公達は結局間に合わず、別行動の仲間達が成功させた」ってオチになるもんだから、拍子抜け。
 紆余曲折を経て恋が成就したとか、頑張って仕事を成功させたとか、そういうカタルシスを得られ難い作りになっており、観た後にスッキリした気持ちになれないんです。
 最後に「バーンっ!」って銃を撃つ仕草で終わるのも(それ、最後まで引っ張るようなネタかな?)って微妙に思えたし、テンションが低いままで、映画の終わりを見届ける形になっちゃいました。

 そんな訳で、どうしても高く評価出来ない一作なんですけど……
 監督のファンとしては、それだけじゃあ寂しいので、以下は良かった点を。

 まずは何と言っても、オシャレな作りなのが良かったです。
 ヒロインの真っ白いスキーウェア姿は素直に可愛いなって思えましたし「冬の間恋人にするなら最高ね」なんて台詞回しも良い。
 素敵な内装の山小屋で、バニーガールに給仕されたシャンペンを味わう場面なんかも、憧れちゃうものがありましたね。 
 真理子さんが面白おかしく話してた「矢野を好きだった女の子」の正体が、実は真理子さん自身だったと判明する件にも感心しちゃったし、話の盛り上がりという意味では、あそこがピークだったかも。
 スキーを楽しむ場面も中々爽快感があったし、車やトランシーバーなどのアイテムの使い方も上手かったと思います。

 そして何といっても、ユーミンの曲が魅力的。
 映画作りにおいて、映像よりも音を重視しているという馬場監督らしく、全編に素敵なナンバーが散りばめられており、ミュージックビデオ的な楽しみ方も出来ちゃうんですよね。
 この映画のMVPって、画面には登場していない荒井由実(松任谷由実)なのではって思えたくらいです。

 後は……「メッセンジャー」(1999年)でも加山雄三を起用してる馬場監督だけど、この頃から「若大将シリーズ」へのリスペクトを感じさせるのが微笑ましいとか、そのくらいになるでしょうか。

 「時代と寝た映画」って言葉がありますけど、恐らく本作も、それに当てはまるんでしょうね。
 ただ、時を越えて愛されるユーミンの曲に比べると、本作に関しては「昔の恋人」って感じであり、思い出の中でこそ輝く存在じゃないかな……と、そんな風に思えました。
ゆきさん [DVD(邦画)] 5点(2022-10-10 17:42:45)
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