ディセント2 の ゆき さんのクチコミ・感想

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ディセント2 の ゆき さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ディセント2
製作国
上映時間95分
劇場公開日 2009-11-07
ジャンルホラー,シリーズもの
レビュー情報
《ネタバレ》  前作ラストの答え合わせ。
 思わせぶりなシーンは「主人公が洞窟から脱出する前に見た、束の間の幻」だった訳ですね。
 まぁ、元々インパクト重視のバッドエンドというだけで、そこに深い意味なんて無かったように思えるので、単なる夢オチの一種だったという事なのでしょう。

 さてさて、そんな訳で前作と地続きな続編となる本作なのですが、ご丁寧に「主人公グループが未知の地底人と遭遇するまで」の件を、たっぷり時間掛けて描いている事に吃驚です。
 これって、1を未見で2から観たという人に対する配慮なのだろうけど、連続視聴した自分としては「いや、地底人がいるとか、そんなのとっくに知ってるって」と、少々ノリ切れないものがありましたね。

 そんな具合に序盤は既視感が強いシーンが続き、正直退屈。
 でも「前作で死んだと思われていたジュノが、実は生きていた」というサプライズが飛び出す中盤からは、ようやくギアが入った感じで、面白く観賞出来ました。
 考えてみれば、確かに前作でも彼女の死亡シーンは明確に描かれていませんでしたからね。
 観客を裏切らない程好い衝撃といった感じがして、好印象。
 前作を生き延びた主人公のサラと、彼女が再会し、対立しそうになるも最終的には共闘してみせる展開なんかも、ベタだけど良かったと思います。
 お約束の「自己犠牲」を意図的に否定してみせた前作を踏まえた上で、本作ではあえてお約束の「自己犠牲」を主人公が行ってみせる構造になっているのも面白い。
 途中まで退屈だったがゆえの反動もあるかも知れませんが、この後半部分に関しては、本当に良かったと思います。

 その一方で、ラストが前作と同じ「助かったと思いきや結局は助かっていない」というバッドエンドであった事には、心底ガッカリ。
 何もそこまで重ね合わせなくても……と、つい思っちゃいましたね。
 もし3が出たら、今作の黒人女性も実は助かっており、サラに代わって彼女が再び洞窟に入って、そこで生き延びていたサラと再会して……という無限ループ的な展開になったりするんでしょうか。
 そこまでやってくれたら天晴な気もするけど、どっちかっていうと(変に凝ってバッドエンドにするより、そのまま脱出に成功してハッピーエンドで良かったのに)という気持ちの方が強かったです。

 そんな本作は「洞窟に入るメンバーが女性だけではなく、男性もいる」という点が前作との大きな違いとなっている訳ですが、結局は「男なんて不要」とばかりに、バッサリ切り捨てる脚本になっているのも凄かったですね。
 「何があっても、君を見捨てない」なんて恰好良い事を言っていた男性キャラクターも、その二分後には崖から墜落して瀕死となり、そのまま何の活躍もせず退場するのだから、恐れ入ります。
 その後に文字通りの意味で「足手まといな男を斬り捨てる」展開も存在しているのだから、徹底しているなぁと呆れる思い。
 もしかしたら、一種の女性賛歌の映画なのかも知れませんね。

 1と2の合計で、約194分。
 色んなシーンを拝ませてもらいましたが、結局は「怪物なんかより女の方が怖い」という結論に至るという……そんな二作品でありました。
ゆきさん [DVD(吹替)] 5点(2017-03-09 10:16:00)
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