赤ちゃん教育 の ゑぎ さんのクチコミ・感想

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赤ちゃん教育 の ゑぎ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 赤ちゃん教育
製作国
上映時間102分
劇場公開日 1939-08-17
ジャンルコメディ,モノクロ映画,ファミリー,動物もの,ロマンス
レビュー情報
《ネタバレ》 この映画は私が見たコメディの中でも最高作だと思っていて、書きたいことは いっぱいあるんだけど、ここではちょっと的を絞ります。

『赤ちゃん教育』での 電話の使い方の話をしよう。

映画の中でよくある電話の使い方は、相手が見えない、ということから来る、 恐怖や不安感を演出したものでしょう。こういった例としては、誘拐ものが真っ 先に浮かびます。
ヒッチコックなら『知りすぎていた男』、黒澤『天国と地獄』、 ドン・シーゲルの『ドラブル』などなど。他にも『となりのトトロ』の中で、 「さつき」がお父さんの研究室へ電話をするシーンの、なかなか繋がらない不安 感。これらは、主に写っている人物のリアクションによって、映画の感情を画面 に定着させています。

そこで、ホークスの『赤ちゃん教育』です。この映画では、上にあげた例とは 全く逆に、画面に写っている側の言動で、電話の相手(見えない側)を恐怖と不 安におとしいれ、それを抱腹絶倒のコメディ・シーンとして提示します。 キャサリン・ヘップバーンが獰猛な豹に襲われている様子を、いかにして電話の相手のケーリー・グラントへ伝えるか!


#ここからは蛇足です。
上にあげたような電話の映画的な機能を意識せず、ただの小道具として使った 例として、キャプラ『素晴らしき哉、人生!』のジェームズ・スチュワートと、 ドナ・リードのキス・シーンがあると思う。二人がキスしている間も電話の相 手が喋っている、という面白さはあるけれど、主に二人を距離的に接近させる目的として電話が機能している。素晴らしく緊張感あふれるアップカット。
ゑぎさん [映画館(字幕)] 10点(2017-03-28 06:15:39)
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