キス&キル の ポッシュ さんのクチコミ・感想

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キス&キル の ポッシュ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 キス&キル
製作国
上映時間101分
劇場公開日 2010-12-03
ジャンルアクション,コメディ
レビュー情報
《ネタバレ》 よく似た「ナイト&デイ」(2010)があんなに楽しかったのに、なんでコレはそうでもなかったんだろうと考えてみたら、描写が生生しいのですね。シニカルな笑いを狙ったのかもしれませんが、そうなるとお伽噺(=極上のフィクション)にはなり得ない。フィクションに酔うことが出来ずに冷めた目で観ていると、なんだか「現実」が透けて見えてくる。アメリカはやっぱり「成功する」ことが全てなんだなぁと。

失恋した娘を連れて家族旅行で海外に来た金持ち父さん。なんとトム・セレックだ。シングルの娘の事をやたらと嘆くのは、「結婚できない」=「成功していない」とでも言うのだろうか。ふざけた話だ。娘のキャサリン・ハイグルも旅先で出会ったイケメンとデートすることになったら、「私生活を細かく聞くわよ」なんて、最初っからスペック確認に余念がない。で、めでたく結婚した2人ですが、旦那のアシュトン・カッチャーは殺し屋たちから命を狙われることになる。もう、みんな巨額の懸賞金に目の色変えて、あの人もこの人も次々と襲いかかってくる。ここもブラックな笑いを狙っているんだろうけど、描かれているのは「大金を手にすること(=成功すること)は何物にも代えがたい幸福である」という価値観です。

だから、この映画では「失敗」する人たちはどーでも良いのです。ミッションに失敗すれば終わり。殺す側に葛藤も苦悩もありません。彼らは悪い奴らなのでしょうか? 私にはそうは思えない。金のために殺す。これは「お仕事」としてこれまで何人も人を殺してきた主人公のイケメン旦那と全く同じです。

やたらと人が死んで、でも誰も悲しまず、最後はハッピーエンド。生き残った者、すなわち勝者=成功者の人々は幸せに暮らしましたとさ、というオハナシ。コメディだから別にいいんですけど。ちなみにこの作品、本国では興行成績が悪く製作費が回収出来なかったらしいので、映画自体は「成功しなかった」。これが1番ブラックなオチですね。
ポッシュさん [DVD(字幕)] 5点(2017-07-29 11:29:14)(良:1票)
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投稿日付邦題コメント平均点
2018-07-09ダウンサイズ8レビュー5.50点
2018-07-02シェイプ・オブ・ウォーター7レビュー6.71点
2018-05-05ザ・サークル6レビュー4.72点
2017-08-04はじまりのうた9レビュー7.04点
2017-08-01白い帽子の女7レビュー6.20点
2017-08-01きみがぼくを見つけた日6レビュー6.26点
2017-08-01きみがくれた未来6レビュー5.83点
2017-07-31ぼくの美しい人だから8レビュー6.93点
2017-07-31恋人はセックス依存症6レビュー6.50点
2017-07-30ニュー・ワールド10レビュー4.81点
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