ぼくの美しい人だから の ポッシュ さんのクチコミ・感想

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ぼくの美しい人だから の ポッシュ さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ぼくの美しい人だから
製作国
上映時間103分
劇場公開日 1991-12-20
ジャンルラブストーリー,ロマンス
レビュー情報
《ネタバレ》 アルヴィン・サージェントが脚本を書いているということで、観てみました。
年の差&身分差カップルの恋愛。お互いに心に傷を持つ者同士が惹かれあった・・・出会いのきっかけはそうだけど、結局のところ、この2人を強烈に結びつけているのは「体」。どうなんでしょうか、私は汚れきった大人なので、そういうのもアリと思えてしまう。逆に小賢しい理性だとか意識だとかを超えたところで「離れられない」というのが、真実のようにも思え。

脚本、やっぱりイイですね。彼の想いがホンモノかどうか測りかねたノーラ(スーザン・サランドン)の一言。「これからどうしたいの?私は気が向いたときに箱から取り出すオモチャなの?」
うえ~ん。切なすぎ。

初めて出会った夜、酔って車をぶつけてしまったマックス(ジェームズ・スペイダー)。ヘッドライトの片方が壊れてしまうのですが、ず~っとそのまんまにしてる。思うに、このとき彼自身も壊れたのだ。壊れたというのは、社会に対して繕ってきた表向きの自分が一部崩れたということ。そして、そのことが彼自身も心地良かったから直さないでずっとそのままにしておいた。所詮自分とは不釣合いな女、一晩限りの相手、としてすぐに忘れて元のスノッブな環境に帰るのが賢明なのに、そうはしなかった。できなかった。
ところが、最後に去って行った彼女を迎えに行くとき、彼はずっと放っておいたそのヘッドライトを直すのですよ。シーンはほんの数秒で流れてしまって分かりにくいのですが、ここはものすごく重要な絵。だってそこは、彼がノーラを選ぶことを世間に表明する決意を表わしているから。それまでは彼女のことを恥じていたマックス。なんで彼女に惹かれてしまうのだろう、これは本当の自分ではない、と心のどこかで思っていたんでしょう。だから、あのヘッドライトの壊れた車は「今のボクは壊れています」という世間に対する言い訳だった。でも、もう、違う。彼は自分自身を変えたのだ。生きる道を新たにし、ノーラを選んだ今の自分こそが本当の自分。世間に対しても堂々とそう言えるようになった彼だからこそ、あそこでヘッドライトを直したんだと思う。

現実にはこんなこと起こりっこない。一時の情熱でくっついても長続きはしない・・・と思えてしまう。でも、だからこそ、映画の中で夢を見たいワタクシは拍手喝采なのでした。ついでに言えば、自分もノーラと同じワーキングプアの部類だし。現実はしょっぱいです。でも、まぁ、もろもろ小さな幸せがあるので大丈夫ですけどね。映画も小さな幸せのうちの1つ。こういう素敵な作品に巡り合えることが幸せ。
ポッシュさん [DVD(字幕)] 8点(2017-07-31 21:13:41)
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投稿日付邦題コメント平均点
2018-07-09ダウンサイズ8レビュー5.50点
2018-07-02シェイプ・オブ・ウォーター7レビュー6.71点
2018-05-05ザ・サークル6レビュー4.72点
2017-08-04はじまりのうた9レビュー7.04点
2017-08-01白い帽子の女7レビュー6.20点
2017-08-01きみがぼくを見つけた日6レビュー6.26点
2017-08-01きみがくれた未来6レビュー5.83点
2017-07-31ぼくの美しい人だから8レビュー6.93点
2017-07-31恋人はセックス依存症6レビュー6.50点
2017-07-30ニュー・ワールド10レビュー4.81点
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