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《ネタバレ》 小学生4年生くらいのころ、夏休みTV放送で本作の序盤だけ観た記憶がある。
そのときの印象は、「難しくてわからん! あとなんか怖い!」だった。それで序盤だけ観て、鑑賞を止めてしまった。 それから10年後くらいにちゃんと鑑賞。で感想は「面白いけど、やっぱこの映画怖いわ!」ってことだった。 文化祭前のある一日がずっと繰り返され、異常に気付いた人はどんどん消えていく。そして時折挿入される廃墟のイメージ。 もちろんホラー映画ではないけれど、人をぞっとさせる不気味な演出や物語の展開に満ちていて、それをまさか国民的なラブコメディ原作でやってしまう衝撃。 原作のドタバタ明るい雰囲気やお約束事、お決まりを逆手に取って、異常な世界や異常な展開を際立たせ、さらにそこから夢や時間の曖昧さという哲学的なテーマまで言及するというのは、実に尖っていて、攻めに攻めた手法だなと感心もしてしまう。 余談だが映像もこの攻めた姿勢を反映してか、奇抜な映像表現も多い。大人になるとこの映像の攻めた部分も感心する。 本作を「怖い!」と判断したのは、本作から漂うこうした不気味さや異常感を子どもながらに感じ取っていたからだろう。 大人になっても夢邪鬼とサクラ先生の会話シーンなどは相変わらずぞっとする。 確かに原作クラッシャーという悪名も本作には付いて回るのだが、ここまでポップで不気味で、サスペンスフルで、だけど物語には奥行きがあって、意外性に満ちた映画というのは、名作と呼ぶべきではないかと私は思う。 【nakashi】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2018-08-13 11:08:50)(良:1票)
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