バベル の K&K さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ハ行
 > バベル
 > K&Kさんのレビュー
バベル の K&K さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 バベル
製作国,,メキシコ
上映時間143分
劇場公開日 2007-04-28
ジャンルドラマ
レビュー情報
《ネタバレ》 -babel- “言葉の混乱”。
ベルベル語、英語、スペイン語、日本語、そして聾者。言語や言葉の違いに混乱する映画にも取れるけど、劇中そこまで言葉のコミュニケーションで困ってる様子はない。旧約聖書の時代とは異なり、バスには英語を話すガイドが乗っていて、移民の家政婦は二ヶ国語を話せて、聾者は筆談や唇を読んでコミュニケーションを図る。
-babelize-で“混乱を引き起こす”となるようだ。子どものたった一発の“試し撃ち”がテロ行為と誤解され、外交問題にまで発展し、世界中のニュースになる。
飲酒運転を誤魔化そうとした結果、子供を誘拐したと誤解され、不法入国の逃亡者になり、幼い兄妹の命に関わる事件を引き起こす。
警察が父を訪ねてきた事を、母の自殺を疑っていると誤解した娘。…でも何故日本?=銃による犯罪が少ない平和な国だから。かもしれない。

菊地凛子の聾者演技は素晴らしい。けど、今ひとつ事件(この映画のテーマ)との関わりが見えてこない。チエコはまだ処女なことに劣等感を抱いている。「あんたの親父とヤッて機嫌直す」。歯医者、刑事と年上との関係を求めるところから、父親への近親愛があるんだろうか?近親愛はお姉ちゃんの裸を覗くユセフにも観られたし…なんて書いたけど、どうも違うような気もする。
勇気を出して裸になっても誰も自分を抱いてくれない孤独。異性と上手くやってる親友と違い、バカは出来ても一歩踏み出せない自分。父親の家族愛しか知らない寂しさ。って感じだろうか?

日本人所有の銃で、モロッコの遊牧民の子に妻を撃たれ、アメリカに置いてきた幼い子供たちはメキシコの国境で死にかける。
ジョーンズ一家のワールド・ワイドな災難とも言えるけど、異国の登場人物のなかに、故意に人を傷付けようとする人は一人も居なかった。
スーザンを献身的に看病するガイドと老婆。一方で何も協力せず自分の身の安全ばかり考えるアメリカ人観光客。
必死になって救助を探すアメリア。妹のレイチェルが子守を引き受けさえすれば、アメリアも子供たちをメキシコに連れて行くことはなかった。
観光客もレイチェルも、同じ英語を話すアメリカ人同士なのに、言葉は通じるのに助け合わない。
別れ際、ガイドに現金を渡すリチャードと受け取らないガイド。心に対する感謝の気持が現金。
綿谷がハッサンに感謝の気持で渡したウィンチェスターM70。アメリカ製のライフルが、巡り巡ってアメリカ人を傷付ける。
現金と銃。世界に混乱を引き起こすのは言葉の違いではない。
K&Kさん [インターネット(字幕)] 6点(2022-03-02 01:19:39)
K&K さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-10カメラを止めるな!8レビュー7.36点
2024-04-04志乃ちゃんは自分の名前が言えない6レビュー6.50点
2024-04-04男はつらいよ 拝啓車寅次郎様4レビュー5.85点
2024-04-03ゴジラ(1954)8レビュー8.20点
2024-03-21男はつらいよ 寅次郎の縁談5レビュー5.83点
2024-03-20荒野の用心棒6レビュー6.62点
2024-03-20特攻大作戦5レビュー6.25点
2024-03-19男はつらいよ 寅次郎の青春5レビュー5.79点
2024-03-17ゲッタウェイ(1972)6レビュー7.34点
2024-03-17禁じられた遊び(1952)7レビュー7.75点
バベルのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS