黒部の太陽 の camuson さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ク行
 > 黒部の太陽
 > camusonさんのレビュー
黒部の太陽 の camuson さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 黒部の太陽
製作国
上映時間196分
ジャンルドラマ,実話もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 石原裕次郎の遺志で長いことソフト化されず、見ることが困難だった作品です。高度経済成長期に電源不足に陥った関西電力の社運と関西経済の命運を賭けた一大プロジェクト黒四ダム建設を描いた大作です。三船敏郎は関電のプロジェクトの現場責任者。石原裕次郎は熊谷組の下請けの手配師の息子で設計技師。危険で無謀なダム建設に疑問を持ち、下請け手配師の親父とは犬猿の仲の石原裕次郎が、足が動かなくなった親父の代わりに現場の陣頭指揮を執り奮闘するという話です。3時間超という大作ですが、中だるみすることなく見れました。というかむしろ、時間が足らず描き切れていない感が残ります。工事だけでなく、発注者受注者間の腹の探り合い、腹を割った話、主人公の恋愛やら、家族の病死やら、盛りだくさん過ぎて時間が足りません。素晴らしかったのは、臨場感あふれるトンネル工事撮影です。破砕帯に近づき、支保工が音を立てて軋む場面、破砕帯にあたり、トンネル内を爆流が押し寄せる場面は圧巻です。撮影自体も結構ムチャしてそうで、高度経済成長期の狂気のようなものを感じ取れる気がします。主人公たちは死者を一人も出さないのが目標とか言っているのですが、人命確保のための体制がなってないというか、技術的な裏付けがなく、管理が杜撰で技術が稚拙で、これがせいぜい半世紀前の話というのに驚いてしまいます。隙間だらけの木矢板で山止めしているのが泣けてきます。この人命の軽い扱いは、大戦が影響しているように思います。戦後復興期は、独特の時代の狂気みたいなものを感じずにはいられないんですよね。
camusonさん [DVD(字幕)] 8点(2023-07-10 19:12:21)
camuson さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-22太陽の帝国(1987)6レビュー6.65点
キサラギ9レビュー7.51点
処刑の部屋1レビュー4.83点
ローマの休日5レビュー8.42点
レイクサイド マーダーケース5レビュー5.07点
2024-04-14メメント8レビュー7.04点
2024-04-14若草物語(1949)8レビュー6.65点
2024-04-14鬼が来た!6レビュー7.76点
2024-04-14パッチギ!5レビュー6.75点
2024-04-14運命じゃない人9レビュー7.83点
黒部の太陽のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS