ゼロの焦点(1961) の tomochan2002 さんのクチコミ・感想

タイトル名	ゼロの焦点(1961)
製作国	日
上映時間	95分
ジャンル	ドラマ,サスペンス,モノクロ映画,ミステリー,小説の映画化

　映画版『ゼロの焦点』は最後にスター有馬稲子のためのストーリーを付け加えたために、話の焦点がぼやけてしまった。◆殺人とその謎解きのストーリーは、久我美子と高千穂ひづるが崖の上で話し合う場面で終わっている。◆夫の失踪と謎の自殺。実は、夫には女(有馬稲子)がいてその関係の精算のために考え出した狂言自殺が、自分の過去を知られた高千穂ひづるによって殺人に利用された。そのことが明らかになったことで充分だった。◆ところが、過去の女の話になって、あのきれいなきれいな有馬稲子の顔がスクリーンを占領し始めると、映画自体の興味は間延びしてしまった。そして、それまでの恐い恐い映画が、切れ長の大きな目をした有馬稲子の可愛い笑顔によって可愛い女の映画に変わってしまった。◆結局、最後に一番強く残った印象は有馬稲子がいい女だということで終わった映画だ。いや、有馬稲子は実に美しい女優だ。