1. <ネタバレ>ヤク中で破天荒な男はトランペットを持つ時だけ聖人となり、音 .. >(続きを読む)
1. <ネタバレ>ヤク中で破天荒な男はトランペットを持つ時だけ聖人となり、音楽を作る時だけ天才となる。
そんな「ジャズの帝王」の堕落の日々と復帰するまでを描いた作品。しかしまぁ「ホンマかいな」と思わせるギャング映画のようなドンパチに麻薬のやりとり、あの音楽からは想像出来ないマイルスの世界が本作では描かれる。天才ゆえの苦しみと孤独、悲しみ。
まぁ天才が主人公映画では他人とコミュニケーションが取れず孤独になって行くのはよくあるテーマだけど、終盤ここまで堕ちたかと思わせて、若手の奏者に素早く的確にアドバイスをいれるさっきまで同じ人物とは思えない別人のような姿が描かれる。こんなにギャップをハッキリ描かれるとどうしようもない切なさが襲ってきました。
ただ何故最後現代に飛んでしまうのかだけはよくわかりませんでしたけど。
マイルスを演じる監督、軽薄に見えるオビワンもなかなか良いですし、その年代の雰囲気も伝わるミニマルな雰囲気はありつつも良質な音楽映画でした。
2. <ネタバレ>マイルス・デイヴィスが引退した1975年から数年。
健康状 .. >(続きを読む)
2. <ネタバレ>マイルス・デイヴィスが引退した1975年から数年。
健康状態の悪化により入退院を繰り返しているうちに、コカインやアルコールなどに
溺れて生活は荒み切っていたという。
それでも、音楽に対する情熱は冷めずにいて、ひっそりとスタジオ入りして
セッションを行った事もあるらしい。
本作はそんな「幻のセッション音源」をめぐる騒動を主軸に、現在と過去を行き来しながら
マイルス・デイヴィスという偉大なるミュージシャンの姿を描く。
個人的に気に入ったのは、ありがちな伝記物語になってないところ。
類まれなる才能ゆえに早くから頭角を現し、時代の寵児になって、でもドラッグに溺れて、
愛する女性に支えらえ&愛想つかされ、そんな彼の晩年は悲しい色やねん~的な。
ぜんぜん、そういうのと違いますー。
レコード会社や野心家のプロデューサーらがこぞって狙う「幻のテープ」。
これがマクガフィンとなって映画を転がし、ユアン・マクレガー扮する音楽ライター
(見た目ふかわりょう)とのコンビが、バディムービー調でちょっと弾む。
「スケッチ・オブ・スペイン」のジャケットが飾られたレコード会社のエレベーターの中から
するっと過去に移動したり、転んで床に倒れこむ人物のマッチカットで現在に戻ったりする
映画のマジックが楽しい演出も個人的に好き。
演奏シーンと回想シーンのつなぎ方や、時間と場所の飛ばし方なども手際がよくて、
編集もイイと思いますね。
あとは、とにもかくにも音楽です。演奏シーンはマイルスの音源を使っているのが殆どで、
聞き惚れてしまう。特に彼のファンでもなかった自分でも思わず身体が揺れる(笑)。
特にラストのライブ・シーンのカッコ良さったら!!
もしやと思ってエンド・クレジットを確認したら、やっぱりハービー・ハンコックと
ウェイン・ショーターが参加していました(泣)。
ドン・チードルも嗄声のボソボソ喋りで役作りを頑張ってた感じ。
最後のステージなんて、すごいサマになってて震えます。
音楽ファンの方にはオススメ。
3. <ネタバレ>多少はジャズをかじっているので、それなりに理解はしたが、そう .. >(続きを読む)
3. <ネタバレ>多少はジャズをかじっているので、それなりに理解はしたが、そうでない人にはちょっと難解? というかそんな人はそもそも観ないか。最後のハービー・ハンコックやウェイン・ショーターの演奏シーンを観るに、ドン・チードルの「自己満」映画という感も無きにしも非ずで。。。フランシスの存在はそんなにマイルスの人生に深い影響を与えていたのか。改めて「SOMEDAY MY PRINCE WILL COME」を聴き直す。
4. <ネタバレ>本日メンズデーで鑑賞。
予告編画像で、ガンアクションばかり .. >(続きを読む)
4. <ネタバレ>本日メンズデーで鑑賞。
予告編画像で、ガンアクションばかりで、一体どんな映画になったのかメチャ不安でした。
演奏シーンは細切れですが、何度も入ってきます。活動休止していた5年間という題名ですが
そのうちの短い期間のエピソードに、過去の回想映像が何度も割り込んできて、時系列の把握が
手間でした。もう一回見て整理すべきか・・?
主演があまり似ていませんが、そこは雰囲気でカバーしましょう。ストーリーは、謎の多い人なので
空想で補完しているようですが、あんなにアクティブだったのかと個人的には違和感が先行しました。
音楽家とはいえ、しぶとい人種差別の中で、時として銃をぶっ放すのはアメリカならではですか。
凄い国だなとツクヅク実感。で、音楽の創造の葛藤の中で、人間関係も生活のモラルも崩壊の極みの
空白期間の最後。腐れ縁のフリーライターと若手の奏者の間でスランプから脱出の手がかりを掴む・・。
そして、ついにカムバックでかつてない斬新なバンドでの超クールなエンディングへ・・。
てっきり最後は事実通りのマーカス、スターン、フォスター、エバンス達との、あのバンドが来ると
確信していたら、全然違いました。じゃあガッカリかと言うと逆にハンコックとショーターが居て
メチャクチャカッコイイです。あの曲だけで1100円の価値充分でした。
どちらも足腰の弱ったジジサマですが、音は超クールです。みなさん、途中の退屈でアウトローな
物語は辛抱して、ラストの曲に期待してください。あと、音の良い映画館を選びましょう。