<ネタバレ>この作品の良いなと思うところは、戦争というものを主軸にして描 .. >(続きを読む)
<ネタバレ>この作品の良いなと思うところは、戦争というものを主軸にして描いてるのでなく、あくまでも舞台装置として扱っているという点ですね。その扱い方、軍隊や貧困を扱いながら爽やかな喜劇でまとまっているということが今ではとても新鮮に感じる。勿論メインは、ヤマショーと棟本の友情物語ですよ。これがもう実に微笑ましい。見ていて心洗われる。ヤマショーこと山田正助は、まさに自然児とでもいわんばかりのキャラで、飯が食いたいという理由で軍に残りたいと考えたり、そのために天皇陛下に手紙を書こうとしたり、棟本を喜ばせるために鶏を盗んできたり、恋心募らす中、いつのまにか結婚まで決めたような気になってたりと、その純粋さがたまらないんですよね。そんで、棟本はそんなヤマショーにいつも常識という名のツッコミを入れる。男の友情の、一つの美しい姿。そしてまた、ヤマショーを演じた渥美清のナチュラル演技のすばらしさも光る。それは演技というより、まさに山田正助という純粋無垢な男が現にいたんだと、そんな風にすら感じさせられます。