戦勝後の古き良き時代を「虚栄」の時代と皮肉り、テーマはおそら .. >(続きを読む)
戦勝後の古き良き時代を「虚栄」の時代と皮肉り、テーマはおそらく虚栄が生み出す「偽りに満ちた現実」だろうか。しゃべらない主人公、妻の不倫、愛の無い夫婦生活、不倫相手の武勇伝、セールスマンのカツラ、さらには妻の逮捕、UFO騒動のロズウェル事件、極めつけは唯一の癒しの対象である清楚な女子高生の真実。これら偽りだらけの現実をまさにグレー色で綴った、悲劇なのにどこか滑稽な犯罪ドラマである。脚本の緻密さと遊び心溢れる演出に浸れる逸品。コーエン兄弟はホントに「映画」を楽しんでいる。