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旅館でゴキブリを発見した時私はノストロモ号の船員と化す。どこかに潜むゴキブリにピクリともせず恐れ慄き、ひたすら眠らない。本当のノストロモ号の船員たちと違うのは、私は戦わない。誰かに戦ってもらう。それか自ら外に出ていってくれるのを期待して待つ。そんな私ですからこの映画、怖くないわけがない。映画館での初見もかなりショッキングだったが、その後テレビ放映を一人で見たときも負けず劣らず怖かった。「ジョーズ」の如き見せない恐怖。そして「遊星からの物体X」よりも感じる閉塞感。そしてついに現したその造形はジョーズのようにただ大きいだけでもなく、物体Xのようにグロテスクなだけでもない。少しの灯りから垣間見られるその精密に造られた造形は大きくてグロテスクで、恐ろしくて気持ち悪いが、美しくもある。ギーガ-の造りあげたこのとんでもないエイリアンの魅力(と言っていいのだろうか?)をR・スコットが最大限に活かしきっている。[笑:1票]