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<ネタバレ>このメリル・ストリープを見ていると、「肉食」という言葉がどうしても浮かんでしまうのですが。
今回食われるのは、イーストウッド監督ご本人。ダンディな役を監督本人がやるというのも、何とも厚かましい話ですが、でも実際、色気があるんだから仕方がない。体のデカさ、この役に充分に活かされています。雨の中に佇む巨大ジジイ。
見る側のストリープと、見られる側のイーストウッド。その二人が徐々に近づいていく様が、妙にエロいんです。例えば、彼女が立つ台所にイーストウッドが近づくのを、カメラも一緒に近づいていくシーンの、あの「接近してます」感。
イーストウッドがダンディなら、メリル・ストリープも肉食感満載で感情の起伏を炸裂させて。本作、企画的にはいかにも、流行りの小説をいち早く映画化してみました、ってな感じがしちゃうのですが、主演二人と作品とがバッチリ共鳴しあって、そういう企画モノには到底収まらない見事な作品となっています。
雨の中に姿を見せたイーストウッドは、車に乗ったまま表情を見せることなく立ち去っていく。その代わり、彼から送られてきた本が柔らかい光に包まれているのが何とも印象的で。
よくぞ、イーストウッドが映画化してくれたと思います。