アガサ・クリスティ原作の「名作」というこの映画に対する評は随 .. >(続きを読む)
アガサ・クリスティ原作の「名作」というこの映画に対する評は随分と前から認知していて、10年以上前にレンタル落ちのビデオテープも購入していたのだけれど、なかなか食指が動かず、観る機会がなく、ビデオもどこかにいってしまっていた。
食指が動かなかった最大の理由は、“ストーリーのオチ”を知ってしまったからに他ならない。
原作も映画もあまりに有名な作品なので、どこかしらからミステリーの顛末が耳に入ってしまったのだ。
オチを知ってしまったミステリーほど魅力減のものはないわけで。
満を持して鑑賞に至ったわけだが、なるほど面白い。
何たってアガサ・クリスティのミステリーなので、そのストーリー展開はもはやミステリーの「定番」といったもので目新しさはない。
しかし、描き出される映画世界にはもちろん時代は感じるが、往年の娯楽映画によくある“古臭さ”は全くなかった。
それは名匠シドニー・ルメットの卓越した映画創りによるものだろうと思う。
前述の通り顛末は知ってしまっていたので、ミステリーに対する“驚き”は少なかったが、それでも思わず唸りたくなるような「真相解明」は、流石に上質だった。