まず、スピルバーグの作品には思えなかった。色彩やセットはポー .. >(続きを読む)
まず、スピルバーグの作品には思えなかった。色彩やセットはポール・ヴァーホーヴェンが好みそうだったし、無機質な感じやテンポはキューブリックみたい。観はじめてすぐに端々にキューブリックを感じたのは、ここで知ったけどやっぱり原案がキューブリックなのね。ジュード・ロウはよかった。ちょっとお兄ちゃんになったオスメント君の泣きの演技にも磨きがかかっていた。しかしである。強いメッセージを感じるものの、なにかすんなりと受け取れない。スピルバーグのあざとさが影響していることもあるが、それよりも私のような年代の人間にとっては、「今さら何言ってんの」となってしまう。エピソードの数々、表現方法に新しさ、意外性がなく、こういう具合にすれば一般の観客はたいてい共感、涙となるだろうみたいな感じなのよ。安易なのね。子どもには通用するだろうけど。でもジュード・ロウのことを考えると、子ども向きに作ったわけじゃないんだよね、きっと。