団地の一室二間を舞台としたホームドラマ。工夫を凝らしたカメラ .. >(続きを読む)
団地の一室二間を舞台としたホームドラマ。工夫を凝らしたカメラワークは飽きさせないもののそれ以上の意味を感じません。「獣」と言うよりは飼育ケースの中の食虫植物のよう。気味が悪くて薄汚いと見るか、種の保存の為の堂々とした営みと見るか、結論が出ません。始終交わされる会話の、お上品ぶって取り澄ましてのご丁寧な言葉遣いであっても、中身は恥知らずの下劣である様子から、監督の軽蔑が「しとやかな」に込められているように思えました。本作に限っては若尾文子は山岡久乃の軍門に下っていました。上には上がいるものです。恐るべし。