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<ネタバレ>期待ほど面白くなかったなぁというのが、正直な印象。三谷が書くコメディーの面白さの根源って、人が時間や空間の制限に追い詰められたときに、マジメにありえないことをやっちゃう、その瞬間を捉えていることにあるんだと思うんですよね。そういう意味では、「ラヂオの時間」はホントによくできていて、一度始まっちゃったらもうやめることのできないラジオ生放送で役者やスタッフたちが見せる、ありえない言動一つ一つがたまらなく面白かった。ところが本作では、場所もいろいろ、いつまで続くのかもわからない状況で、だんだんとありえない言動がわざとらしく見えてしまっていた。とくに後半、みんなが「街を出よう」なんていい始めて逃げ道作っちゃったから、頑張って演技を続ける意味がなくなってきて、エンディングの大立ち回りが霞んでしまったのが非常に残念。三谷のコメディーは「ラヂオの時間」や「王様のレストラン」のような密室劇でこそ輝くことを、改めて確認した。