映画館で本気で泣いた映画。悲しい映画だから泣いたのではない。 .. >(続きを読む)[良:3票]
映画館で本気で泣いた映画。悲しい映画だから泣いたのではない。
ストーリーに泣いたのでもない。もう、なかば反射的に涙が溢れてくる映画だった。
ミュージカルシーンになると涙があふれる。
ハンドカメラの色褪せたブレる画像が、発色のいいカラーになって、クレーンやヘリを駆使した、壮大な映像になった瞬間、涙があふれる。
ビョークの伸びやかな歌声と、リズミカルなステップと、幸福の絶頂にあるような笑顔。
つらい現実の世界を、自由な想像力で、美しく変えてしまうチカラ。それでも容赦なくどこまでも救いのない現実。空想。現実。空想。現実。空想。
空想のまま死ねたから、それでいい。ショーの幕は下りるけれど、そのまま終わるなら、それでその人生は完結。他人から見たら憐れでも、心の中はきっと幸せ。
現実を、どこまでも現実として捉えなければならないシビアさ。それでも現実を笑い飛ばし、捉え方次第で幸せを作り出すのは、他ならない自分自身の心。
この両方が生きるチカラだと、そう震えないではいられない大・大・感動作。[良:3票]