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<ネタバレ>どうしても原作とのラストの違いが気にかかる。レクター博士とクラリスをつないでいたものが、クラリスの単なる羊の鳴き声という暗い記憶というだけではなかったはず。もっと本質的に惹かれ合っているからこそ、彼女はレクター博士を救うのではないのかな。そう考えるとああも簡単に暗い世界をクラリスが断ち切ることにどうしても違和感が。まあ、原作のラストはハリスだから出来たのかもしれない。ふつうはやっぱりちょっとね。そう考えると腕を切るか切らないかというシーンで、うまく最後を処理していたようにも。これはこれで一つの結末なのかもしれない。
フィレンツェの街の描き方は、リドリー・スコットらしかった。そこはやっぱり並の監督との違いでしょうか。
クラリスを演じたジュリアン・ムーアも、ジョディー・フォスターが全作を演ってたことさえ思い出さなければ、とてもよかったと思う。ジョディー・フォスターに足りなかった、タフさを彼女は持ってたし。でもどうしても比べてみるとなあ。なんか見た顔がいるなあと思いながら、ジャンカルロ・ジャンニーニだとずいぶん後まで気づかず、つまらないおっさんがシブすぎるなあと思いながら観てた。