この作品は、完全版なくして語ることはできない。ニュートとはぐ .. >(続きを読む)[良:5票]
この作品は、完全版なくして語ることはできない。ニュートとはぐれたリプリー。あの絶望的な状況で彼女がとった無謀な行動を支えたもの、それは人としてよりも、母としての勇気であったのだと納得できる。親を失ったニュートと娘を失ったリプリー。二人の関係を描いたシーンを復活させることによって、ラストがまた一段と人間味溢れるシーンに生まれ変わることができた。また、リプリーが母であったという設定は、エイリアンクイーンとの「母同士の対決」という裏テーマにも陽の目を与えたように思う。人間にとってもエイリアンにとっても、種の保存をかけた対決に、女性への畏敬の念をこめたキャメロン独特のメッセージがあったように思えてならない。あのエイリアンクイーンのすさまじいまでの怒りと執念に、我々は「母は強し」という言葉を思い出し、圧倒的なリアリティを本能的に感じることができる。あるべくしてあった完全版を観ることができた幸運に、素直に感謝したい一本。[良:5票]