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<ネタバレ>釈然としない。ヨーロッパ映画らしく肌触りは深く豊かなのだが、意外なことにその印象に見合った深みが無い。一見感じる人間に対しての洞察もスパイシーなサスペンス風味も、イタリア映画の弱点である「人情」という湿ったフィルターがそれを濁らせてしまっているように思う。汚物やバイオレンスなどの激しい描写はバーホーベンやタランティーノなどの乾いた表現の方が好感が持てる。なによりこの物語を成立させる大前提「母の愛は絶対」というイタリア人的感性に全く共感できないので、ラストをいい話風に締めくくられてズルっとなってしまった。