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<ネタバレ>序盤は、主人公の悠二の類型的っぽい、いじけキャラがうっとうしかったのと、高校時代の「佐々木」の全裸踊りみたいなノリについて行けなかった(自分はあれを教室の隅でうるさいなあと思いながら見ているタイプだった)のもあって「え、これが青春時代の美しい思い出なの?」「評判高かったけど失敗したかなあ」と思っていたくらいでしたが、むしろ僕のような観客が先入観から見ようとしなかった、青春時代のひとつの姿をみせてくれたという点で、とても優れた作品だと思います。悠二の何事も決められない状態も、佐々木のいつまでも変わらない哀しさも、そして、ちゃっかり人生を前に進めている同級生「木村」の存在も、すべてが青春時代から大人への過渡期の真実の姿であり、どの生き方にも心当たりと共感を抱かずにはいられず、終幕のころには自分もまるで彼らの「友達」の1人になった気分で見てました。ただなあ、ラストの唖然とするシーン、佐々木の象徴はやっぱり「全裸踊り」と「佐々木コール」なんですよね。そのノスタルジーに「帰る」のではなく、そこから前に進んだところをラストでは見せてほしかったかなあと思いました。