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<ネタバレ>山田洋次監督といえば「男はつらいよ」。冒頭の結婚式で姪の結婚式をぶち壊す酔っ払った鶴瓶演じる弟。
思い起こすのは「男はつらいよ」の記念すべき第1作で、妹の見合いををぶち壊す酔っ払った寅さんの姿です。
姉と弟、兄と妹の違いはありますが、やはりこの設定には寅さんを思い出さずにはいられない作品です。
弟と娘の幸せを誰よりも願う優しい姉。これも兄と息子の幸せを誰よりも願う妹(さくら)と重なるのですが、
本作の吉永小百合さん、良かったですねえ・・・。しかし、弟が大阪に帰って以降は借金に病気に、次第に話が重くなる。
しかし、小日向文世、石田ゆり子らが演じる、大阪の施設の山田監督の映画らしい人間模様、
己の死を受け入れた鶴瓶の重いようで軽い、軽いようで重いような演技も良かった。焼酎を使ったユーモアの挿入も。
どんなに成功した人にも、社会的には弱者である人にも、必ず訪れるのが死。
終わりよければ全て良しという言葉がある。
弟の最期が安らかだったことが素直に嬉しかったし、山田監督の優しさが感じられる人生の最期のドラマでした。[良:2票]