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<ネタバレ>本当の事実は、タケルがカメラの望遠レンズでしっかりと見ていた。そのことを示唆するシーンで、僕は兜を脱ぎます。それと音楽がいい。 ミノルの恐ろしさは、人当たりのいい人格者という側面が徹頭徹尾仮面であったことにある。人から受け入れられたり、評価されたりする部分が全てウソで塗り固められた表層であることを知ったタケルは、耐えられなかったのだと思う。弟が兄を断罪したのは、チエコを殺害したかどうかの罪ではなく、兄の表層を形成するのが、「ウソ」であったことの罪であった。自分の思いを正直に出す性格のタケルにとって、正直さと純粋さは同義語だった。そのため、タケルからみてミノルの「優しさ」が作り物、純粋さのカケラもないものだと感じられたのだろう。純粋さと作為的な「ウソ」と、どちらが人間らしいのかについては様々な意見がありうると思う。とても難しい問題だ。「人間らしさ」なんかにこだわらなければ、そんなこと別にどうでもいいのだが。[良:2票]