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<ネタバレ>この映画はたった一つのアイデアだけを軸に展開する点において「市民ケーン」と親しい。いってみれば単純。このアイデア(オチともいう)によって、主人公の悲痛な叫びがとても映画的に増幅されている。惜しむらくは、痛みを乗り越える術が見えなかったこと。それだけ主人公の背負う苦しみが大きいということか。彼に救済が訪れるとすれば、逃れられない過去の意味づけを変えるしかない。観客が最後のオチを見て映画の前半に対する意味付けを変えるのと同じように。個人的には最初のほうのガソリンスタンドでのヴァイオレットとのやりとりだけで7点献上。あとのシーンはおまけ。