車窓を流れていく、クレーンに吊るされた見せしめの死体。
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車窓を流れていく、クレーンに吊るされた見せしめの死体。
夜の路側で炎上している車両。
マイクロバスの窓を叩いて威嚇してくる、デモ行進の市民。
それらはベン・アフレックの無言の視線を介して捉えられることで強調され、
同化を促し、不穏と緊張を巧妙に増幅する。
つながらない電話のシーンをさりげなく布石として配置しておき、
クライマックスに反復を仕掛ける手練。
人物の忙しない動きをスムーズに追いかけていく移動撮影もまた、
映画に緩急のリズムをもたらし、最終盤の盛大な横移動で
テンションをマックスに高めていくよう、運動感の構成もよく出来ている。
細々した映画ネタが色目使いに見えなくもないが、あくまで適度におさめる品の良さがいい。