<ネタバレ>中盤の、路地裏から用水路へ至る追走劇などが映画ならではの
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<ネタバレ>中盤の、路地裏から用水路へ至る追走劇などが映画ならではの
ロケーションと走りのアクションで頑張っている。
生田斗真を追って水路に入ろうとする戸田恵梨香が一瞬のためらいを
見せる。その引っ掛りのショットは、別箇所の周到な台詞の伏線とも
リンクしながら後の彼女の「水面」のフラッシュバックへと繋がっていくわけだが、
その彼女の生い立ちを仄めかす回想も橋と少女とランドセルの落書きのショットで示唆するという、
寡黙で簡潔な語りが実にスマートだ。
動機や説明や回想の類をどうしても必要とする物語だが、後半もさほど失速させずに2時間におさめられた
のは、そうした過不足ない語りの聡明さにもよる。
投棄現場詰所の蒼い光の中、抱く・抱かれる「友達」二人のショットも
十分に説得的で感動的だ。
ネットを始めとするメディア画面も『白雪姫殺人事件』よりも
熟れてきた感じで、携帯端末画面の有効な使い方も巧い。
荒川良々の反則的な涙にも癪だがやられた。