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<ネタバレ>夜の整備場内、夜の滑走路と先の見えない視界不良の場から続き、鹿児島から沖縄へと飛ぶ一式陸攻機内という限定空間を主たる舞台とすることで、
マクロな戦争スペクタクルを封じている。
沖縄まであと一時間半程度という台詞から、かなり実時間に近づけている事もわかる。
直前まで会話していた仲間が、突然の機銃音と共に血まみれになって即死する。
敵機に狙い撃ちされる度に機体に穴が空き、撃たれた隊員達は次々に身体から血を噴き出し、のたうつ。
低予算を逆手に取った風防外部の状況を示さない戦略は、より目前の戦場の惨状即ち人間が損壊し絶命していく痛みを際立たせている。
乗り合わせる隊員らの過去も多くは語られない。その事が一方ではサスペンスを生み、一方では桜花に乗り込み特攻していく十七歳の若者と
一式に残る若者の短いやりとりを感動的にする。
「ボタンの掛け違い」、「まさか時代がここまで急転するとは」といった科白の数々は今現在に向けられている。