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ジェフ・ブリッジス扮する落ち目の歌手バッドの物語は穏やかに進む。 カントリー界の大物プロデューサー、T=ボーン・バーネットが音楽のみならず製作にも携わり、カントリー・ミュージックの持つ温情みたいなものをそのまま映画にしたような作り。 シンプルだが素材のよさが生かされ、歌にも聴き惚れる。 ジャズの「ラウンド・ミッドナイト」同様アル中からの更生が要素の一つでも、その描写がメインでないのは察せられる。 飾り気のないジーン(マギー・ギレンホール)とのロマンスもよかったけれど、師弟のエピソードが沁み入った。 かつての弟子トミーに追い越されたバッドのプライドとの闘い、世話になった恩を忘れず師匠を引き立てようとするトミーの心遣い。 ファンへのサインの場面は切なかった。(コリン・ファレルの困ったような八の字眉が役にはまる) 渋いロバート・デュバルの顔も見える。 助力にも恵まれて再び歌手として脚光を浴びる主人公に優しい映画だけれども、最後は「楽あれば苦あり」? でも心はあの空のように澄み切っていそうだ。