<ネタバレ>物語を語らない、見せない映画。
菊次郎も正男も自分の思いを .. >(続きを読む)
<ネタバレ>物語を語らない、見せない映画。
菊次郎も正男も自分の思いを語らない。菊次郎が痴漢、トラック運転手を殴る場面も、ヤクザに襲われる場面も、直接的には描かない。菊次郎も正男も、自分の母親に出会うことはない。
観ている側はいつもはぐらかされ、物語に立ち会う瞬間には出来事はすでに終わっている。
共感はできても、共有はさせてくれない。だから寂しく、切ない。夏の乾いた空気も、出会いと別れも全てが刹那的であり、儚い。
それ故に尊く、懐かしく、胸に深く残る。
北野映画を観ると、いつもそんな感覚に襲われる。