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<ネタバレ>タイトルや広告ポスターから、だいたいどのようなシーンが展開されるかかが分かっていて、観る者の期待の通り「勧善懲悪・夫婦善哉」的なシナリオが淡々と進んでいく。木村拓哉と檀れいの美しさに心打たれたり、坂東三津五郎の狡さに許せない気持ちになったりするのだけれど、あまりにもまとまりすぎて、当たり前すぎてそれ以上のものが感じられませんでした。
例えば、檀れいが家を飛び出した後本人はすごく苦しんだだろうとか、木村拓哉も忘れようとしながらも三津五郎と檀れいの密会が頭に浮かんでもっと悩むだろう、檀れいを責めるだろうとか、三津五郎が檀れいを手込めにする生々しさとか、そのあたりの煩悩苦悩やドロドロした所をもっと泥臭く観せてほしかった。
そのようなシーンがあればこそ、夫婦愛とか武士の一分が非常に尊く、映画の中でも
輝いてみえるような気がします。これは監督のポリシーというかスタイルによるところなのでしょうか? いいのだれどそれだけの映画で終わってしまうのが自分は残念。
なお、木村拓哉の師範である緒方拳の口調は、現代的すぎて、あまりに緒方拳らしすぎて、道場の師範役というか時代劇にはミスマッチではなかったかと思います。