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<ネタバレ>根本的な映画のつくり方に問題がある。終盤のベンの決断に全く感情移入できない。それまでの人の命とか仁義とかをハエみたいに扱う態度から豹変して、急にダンに肩入れしだす過程が説明不足である。ホロリとしなさそうな奴がホロリとする、という事象に観客はホロリとするのだが、これはあんまりではないか。ベンの生き様を描く機会は十分にあったし、実際護衛を殺すシーンは多かったのだが、終盤につながる彼の人格がわかるシーンはほぼ皆無と言っても良いのではないか。石炭掘りの乗った汽車を爆破するような男がホロリとしていけないわけはないが、何かしらの伏線を張っておいていただきたいものだ。
ラストでウィリアムの前で電車に乗ることを選択し、かつての仲間を撃ち殺すベン(ちゃっかり馬も呼んでいるが)には一貫性を感じたが、そこに至る過程が描ききれていないだけに唐突感が残る。主演二人は好演していたし、久しぶりに「西部劇のドンパチ」を観られたと言う嬉しさはあるが、これじゃちょっと消化不良だ。