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<ネタバレ>最初の車のエピソード、ボンネットが上がってて前方が見えないってのが、けっこう怖い。でも邸宅での話になると、なんかどこかで見た場面の連続で、しだいに気持ちが冷めていく。ホラー映画の記憶のパッチワーク、ちょっとブニュエルの『エル』が入ったり、ワイダの『地下水道』が入ったりもするけど、一番気配が似てるのは、意外と『学校の怪談』で、広すぎる邸宅に住むってのは、学校の守衛やってるようなもんなんだ。消したはずのテレビの娯楽番組の笑い声が、かすかに寝室にまで届いてくるなんてのは、学校の音楽室から真夜中になると音楽が聞こえてくる、ってのに近い。この広い邸宅から安全地帯がしだいに狭められて一室に立て籠もっていく、ってサスペンスだと好みだったんだが、後半外に出ちゃって、せっかく圧縮した緊迫が拡散してしまった。自国民が外国で襲われる話ってのも、後味を悪くしている。