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<ネタバレ>カメラは徹底してヒロインに密着する。ロゼッタの登場しないカットはない。ときにヒロインが見ている方を捉えるが、それは彼女の視界としてより濃厚にロゼッタを存在させる。長靴履いた少女って、たくましくていいな。愚痴らず、ただまっとうな暮らしを熱望し続けてる。それでいて、自分の代わりに失業した女性が気にかかったりもする。これがあるから、あとで男友だちのリケを密告する凄味が生きてくるんだ。自分が溺れかけ、母が逃げた池、リケが溺れかけたとき、ちょっと助けるのをためらうとこも怖い。職が転がり込んでくる可能性。仕事で抱え込む小麦粉の袋の重さが、ラストのガスボンベの重さと拮抗する。この重さを運び続ける彼女は死ねまい、と思う。そして初めて彼女が他に頼ろうとする瞬間が待っている。立派な作品なんだけど、この振り回されるカメラが、どうも生理的に苦痛で。