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<ネタバレ>この監督、どうしようもない奴を描くのが好きで、そのどうしようもなさがクッキリ出てくる腕前は大したものだと思うんだけど、でもこんなにまでして「どうしようもなさ」を描きたがるその根本のエネルギーがどこから来るのかがわからん。こういう奴がいるんだということを言うために、2時間半の映画を作ってしまうその動力源が。仲間うちの感じなんかがすごくうまいの。「俺のどこがファニーなんだ?」と急に絡んでくるところなんか、こういう連中の空気が本当に良く出ている。カタギの人間の気持ちが不思議でたまらない。“マフィアになろうと考えない”人間がいるってのが理解できない。そういう狭い仲間内だけで閉じているいやらしさ。レイ・リオッタ、いいすね。こういう世界の中だけで成長した幼さみたいのがある。眼が現実を見てない。逮捕の日のシーン。怪しいヘリコプターが頭上をしつこくついてくる。まるで幻覚のような不気味さ。けっきょく真っ当な生活とまるで触れ合えずに保護監察下で毎日を潰していくラストの苦さ。つまらない男のつまらない人生を描く監督の手つきだけが、つまらなくない。[良:2票]