<ネタバレ>生活感溢れる、脂まみれの台所を覗いているような感覚こそが
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<ネタバレ>生活感溢れる、脂まみれの台所を覗いているような感覚こそが
韓国映画の持ち味だと思います。
この映画に関してもまさにそう。
ギトギトに脂ぎっていて、下手に触れたら手が脂まみれになりそう。
手を洗ってもしばらくは脂臭さが抜けないような、不快感さえ感じて
しまいそうな映画です。
この感覚は、黒澤映画の「天国と地獄」で感じたものと同じです。
しっかりと「人」と「時代」が描けているからこそこのように感じるのでしょう。
この監督の映画を観ていると、名監督独特のリズムを感じる絵造りや、
脚本、演出が感じられ、緩急自在に映画全体を監督が支配していることが
感じられます。
それに加え、やはり俳優陣の名演技。
俳優が俳優として見事な仕事をしています。
特に主演のソン・ガンホ。牧歌的なおじさんという見た目ながら、
演技の鬼とでもいうべき熱演から目を離す事が出来ませんでした。
この韓国映画独自の持ち味は貴重。
見ておくべき映画のひとつです。