描かれていること自体は、「チンピラが電車内で暴れる」だが、そ .. >(続きを読む)
描かれていること自体は、「チンピラが電車内で暴れる」だが、その背景には興味深い主張が感じられる。
登場人物それぞれに象徴された“人間の種類”。
日頃、大きな口を叩いているくせに、いざとなったら何もしない人間。
日頃、強がりを言ってるくせに、いざとなったら何もできない人間。
老人や女性は、日頃好き放題言っているが、危機的状況では結局、無力で役に立たない。
恋愛男女も、イチャイチャするだけが能で、危機的状況では役に立たない。
元々、役に立たなそうな人間は、やっぱり危機的状況でも役に立たない。
日頃、大きな口は叩かず、温和で控え目そうに見える人間が、実は危機的状況を打開する。
、、といった具合に、様々な人間が危機的状況で、どんな立ち振る舞いをするか?が、とても興味深く描かれている。
こういう視点で観ると、とても面白いし、ただ単にチンピラが暴れまわるだけの映画ではない。
自分は、この映画の登場人物の中で、誰に一番近いか?
それも考えさせられる。
バイオレンス映画ではなく社会派映画。
パニック映画ではなく、人間観察映画。
人種差別・女性差別映画ではなく、超現実的映画。