<ネタバレ>田舎での差別といえば陰湿なものを思い浮かべるが、この映画での .. >(続きを読む)
<ネタバレ>田舎での差別といえば陰湿なものを思い浮かべるが、この映画での差別者である村人達はそこまで陰険に描かれておらず、正面きってのただの嘲笑であり、村人には(ごく一部をのぞいて)差別する意識も悪意もないように思われます。要するにサブはバカキャラといったところ。しかも、村人達も同程度にマヌケに描かれているため、意外と仲良くやってるように見てとれます。
しかし、悪意があろうとなかろうと、傍から見ればうまくいっているようでも、バカにされてる側が深刻に苦しんでるとなると、やはりそれは悲劇…なんですが、ここからが喜劇足るところで、戦車に乗ったサブは怒りのやり場に困ってしまう。誰に怒ってるのか、何に怒ってるのかわからなくなってしまう。こんな滑稽さが喜劇であり、復讐の悲劇を回避しています。
この微妙な喜劇への転化が少し苦しいのがこの映画をもう一歩楽しめなかったところですね。それぞれの人物像がただのバカ(この映画のほとんどのキャラクター)、ただの強欲、ただの偽善者なので深みを感ぜず、村内で「馬鹿が戦車を乗り回す」以上の話、いわゆる人情喜劇になっていないところが少し物足りない。