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<ネタバレ>このお話は、小説にするにはとても高度な筆力が必要だと思います。フィクションの世界で良く言われる“信頼できない語り手”の独白でストーリーが展開されるので、当然映像にはその語り手が観たことや聞いたことだけが映されるわけです。だから観客を騙すのは映画の方が文章で表現する小説よりも容易なんだなと改めて気づかされるわけですが、これ以上言うのはネタばれになり過ぎるので止めておきます。でもホント、この映画を観て騙されなかった人はいるのか疑問です。でも鍵というかアラはありまして、ファースト・シーンの船上でのやり取り、これは余計というか映画を台無しにしかねない失敗だと思います。 しかしラスト5分のたたみ掛ける様な迫力は超一級で、あの弁護士の名前がなんでコバヤシなのかが判る場面は背筋がゾッとしましたよ。