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<ネタバレ>監督のジョセフ・マクグラスは、終いには収拾がつかなくなった迷作『カジノロワイヤル』に狩りだされた監督のひとりです。今回もこれまた稀代の変人テリー・サザーンが書き下ろした脚本に四苦八苦した挙句、観た人ほとんどから「なんじゃ、これ」と言われる様な珍作を撮ってしまいました。テリー・サザーンと言えばキューブリックの『博士の異常な愛情』の脚本を書いたことでも有名ですが、本作は彼の反体制という信条の持つ臭みが全篇に漂っていて閉口させられます。ハムレットを演じながらローレンス・ハーヴェイが見せるストリップやラクエル・ウェルチの登場シーンなんかこの映画で数少ない笑えるツボなんですが、ここはたぶんシナリオに参加したモンティ・パイソン組の出したネタでしょう。 正直言ってこの映画の良かったところは、もろマッカートニー・サウンド全開の主題歌“Come and Get It”ぐらいですかねえ。もう『カジノロワイヤル』が傑作に思えるぐらいでした。