たけしの凄みを感じさせる演技。
他キャストも申し分ない演技 .. >(続きを読む)
たけしの凄みを感じさせる演技。
他キャストも申し分ない演技で、ひとりの恐ろしい男とそれに振り回され続ける人々を充分に表現出来ている。時折目を背けたくなるほど、痛々しいシーンもあり、部分部分で観ればかなり強烈な印象を持った映画ではある。
しかし、観終わってみて頭に残るのは、理不尽なまでのあらゆるもの(金、女など)への暴力描写、それに連鎖する不幸ばかりで、原作未読のためか、一体この映画で監督はいちばん何を言いたかったのかが理解出来なかった。
単に「怪物のような男が存在した」ということか?
在日朝鮮人という重みのあるバックボーンと、
主人公がいかにしてこんな怪物のような人間に至ったか
それらをもっと深く丁寧に描いてくれても良かったのではないだろうか。
逃れられない悲しみは連鎖していくが、登場人物に感情移入出来ず、もう一度鑑賞する気にもなれない原因はそこにあるように思う。
役者陣がかなり体を張った演技をし、映像、音楽ともに素晴らしい出来であるために、凄く惜しいというか勿体ないというか。