孤独の中で悶々と生活し、それ故に屈折した自意識ばかりが拡大し .. >(続きを読む)[良:1票]
孤独の中で悶々と生活し、それ故に屈折した自意識ばかりが拡大している主人公トラヴィス。周囲の人々をクズ同然と見下し、自分は同類ではないということをどうにか世の中に示そうと企んでいる。
共感出来ない人は最初から最後まで全く共感できないと思うが、自分の中に少しでもトラヴィス的孤独感が思い当たる人にとっては、この作品が描く狂気があまりにもリアルに感じられるはず。
「タクシー運転手」という設定も、孤独のメタファーとしてこれぞ、と言ったところ。
若きジョディ・フォスターは可愛いし、同じく若きハーヴェイ・カイテルも良いが、
見所は何と言ってもヤバすぎるデ・ニーロの演技。いかにも不健康そうな顔色、挙動不審で妙に目だけギラついている。
全体のドロドロした雰囲気といい、本作はまさしく「病める現代っ子の狂気」を見事に映し出していると思う。[良:1票]