<ネタバレ>小津映画の中にあって、この映画はどうしても異色に思える。それ .. >(続きを読む)
<ネタバレ>小津映画の中にあって、この映画はどうしても異色に思える。それほどシリアスなのだ。
有馬稲子はどういうわけか不幸な女性を演じることが多いが、この映画もとてもかわいそうだ。うわごとで何度も「死にたくない。初めからやりなおしたい」と言っていたのに残念である。
かわいそうと言えば、有馬稲子だけではない。原節子も笠智衆もそれに家族を捨てた山田五十鈴もすべて不幸であり、寂しさだけが残る。
そしてまたそれは、東京物語の一抹の寂しさと較べると、赤裸々で強烈に感じる。