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演出が優れているせいか、とにかくスクリーンから伝わる雰囲気がいい。
友情ばかりでなく、子供なりに抱えている問題や苦悩などがしっかり描かれているので、
自然と感情移入ができてしまう。特にリーダー格の少年はその見かけとは裏腹に、
繊細な部分まで表現しているのには驚いた。ただ全体のストーリー面を考えると、
それほど内容があったという印象は受けない。これはいらないのでは?というシーンもあるし、
単に懐かしい思い出話を語っているだけ、という見方もできる。
十代から二十代にかけての友達はかけがえのない物、という事は誰もが知っていることであり、
それだけがテーマというのもちょっと寂しい。主人公は今現在を生きているのだから、
そのあたりで何かもう一つ、ドラマとしての芯が欲しかったような気がする。
ノスタルジーに浸りたいだけなら、この映画は満点なのだが・・・。