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<ネタバレ> スタートダッシュの雰囲気はスパイダーマンに似ていて、ちょっとワクワク。何者でもない日陰者だった人間が、正義の味方になろうと試行錯誤するプロセスは好き。頭の中で自分がヒーローになった姿を想像する時期ってのは誰しも経験があると思います。所謂厨二病ってやつですね。この辺りの思春期特有の感覚に国境はないみたいで、嬉しくなります。
で、それを実際にやってみようとする人間がいると、映画やマンガになっちゃうわけです。なぜなら夢があるから。等身大の夢です。そこで真剣に努力してくれようもんなら、共感できるし、応援できます。
ですから、序盤から中盤にかけては大変楽しい。主人公刺され、事故る。全身に金属を入れられる。痛みを感じない特別な肉体ゲット。チンピラをチンピラから守る。迷い猫だって探してあげる。
いいんです、最初はこれで。ここから少しずつ成長してくれれば。
ところがキック・アスの成長はここでストップ。なぜならここでヒット・ガール、ビッグ・ダディという本物のヒーローが参戦するから。なんかこれワンパンマンのC級ヒーローが地道な努力をしているところに、S級ヒーローがやってきて実力の違いを見せつける感覚に近いかもです。
そこからは私が期待していたのとはちょっと違う展開に。どーしてもヒット・ガール親子が目立ちすぎて、キック・アスは添えもの扱いになっていきます。だってC級ヒーローだもの。
アクションはスピード感があり、バラエティに富んでいて面白い。凄惨なアクションとポップな音楽のミスマッチ感がシュールでクセになる。
キック・アスは強くはなりませんが、ずっと良心的な人物で良い。彼女ともどんどん仲良くなっちゃうリア充展開なので更に良い。一緒に幸せな気分になれます。
そしてなんといってもヒット・ガールのかっこかわいさ。ヒット・ガールにクロエ・グレース・モレッツをキャスティングした時点でこの映画の成功は決まったようなものかもしれません。それぐらい魅力的なキャラクター。
ですので、主人公にもう少し頑張ってほしかった、ということを除けば、エンターテイメントとして良く出来た作品だと思います。
『すごく良い武器があるの。でもちょっと高くて、30万ドル・・・』『無駄遣いは良くな・・・おお、これは・・カゴに入れといて。』と、父が言い、嬉しそうにカゴに入れる娘。一番好きなシーンです。時代だなー。[良:1票]