<ネタバレ> 窪塚洋介はどんな役をさせても窪塚洋介にしか見えません。そん .. >(続きを読む)
<ネタバレ> 窪塚洋介はどんな役をさせても窪塚洋介にしか見えません。そんな窪塚の演技のなかで、『きれる演技』や『凄みを利かせる演技』だけは昔から好きです。それに対し、『笑う演技』はあまりにわざとらしすぎて鳥肌が立ちます。Vサインや『~なのだ』もやめてほしい。
大竹しのぶや萩原聖人など、脇を固める俳優さん達はベテラン揃いでかなり魅力的ですね。作品全体に大変良い雰囲気を創り出していると思います。
さて、ストーリー。最初のうちは、焦点が定まらず、はっきり言って何が言いたいのかよくわかりません。暴力描写がある割りには、そこに在るはずの人の心の動きが見えづらくて平坦に感じます。つまりは退屈。
話がやたら前後したり、一貫性がなかったり、とりとめがない展開がだらだら続いたりする物語は苦手です。
ただ、しばらく見ていると、いつの間にか映画の世界にはまりこんでいます。最後まで見ると感動もします。
在日韓国人、国籍というのが恋愛エピソードを盛り上げるための舞台装置かと思いきや、むしろ人種間の問題のほうがメインなんですね。重いテーマを青春ドラマとコメディタッチで仕上げ、深刻になりすぎないように、でも凄く真面目にとりあげているバランスが絶妙。
その一方で、親友の死の扱われ方がちょっと軽い気がするのが残念。
『グレートチキンレース』にしてもそうですが、人の命に関わる問題も、人種差別と同じくらい丁寧に扱ってほしいです。
そう思えるのは、この作品が良い映画であった証でもあります。